Ⅵ 女性活躍推進法「一般事業主行動計画」策定に取り組むメリットは?
行動計画を実施した企業の声
これは、私が平成29年度末鳥取労働局在勤時に実施したアンケート結果です(一番下の画像)。
女性活躍推進法の「一般事業主行動計画」策定から2年が経過する時に、
「行政は女性活躍推進の行動計画策定と実施を言っているが、果たして実際の企業の状況はどうなのか?」
と思い簡易なアンケートを実施しました。
回答から、
・計画を立てたものの何も取り組んでいない企業は → 何も成果は出ていない
- 計画に沿って取り組んだ企業からは
→計画より遅れているが、進んでいる
→計画通り進み、結果が出ている・改善している
との回答が得られました。
計画を立て、それに沿って進めていくと、結果に繋がる との実感が得られ、
これは効果のある取組みなのだと改めて自信をもって伝えられることになりました。
企業の中には、
<事例1>
製造業の職人の応募が男性0人、職人の業務はこれまで女性には難しいと
考えてターゲットにしていなかった女性も対象とし、
ハローワークで「女性のみ特例求人を活用」して募集したところ
(社長曰く)「元気のいい女性が来た」。
その女性に社長自ら技術指導をしたところ女性でもその業務が可能となり、
ある時力が強い男性でないとできない作業を女性に任せたら
女性社員から「力技ではできないが、こういう方法ではだめですか?」と言われ、
力技でない方法で対応ができると初めて知った。
女性が加わることで新しい視点で業務を見ることができ、別の方法も思いつくことを体験し、
今後も女性も積極的に採用し、長期勤続のために将来的には育休も取ってもらうつもりである
<事例2>
キャリアコンサルティングを導入し、従業員のキャリア診断を実施。
その結果から従業員のキャリアへの意識と企業側の考えにずれがあることが判明。
その結果を踏まえて新たに人事考課制度を導入。
その結果従業員の働き甲斐に繋がり、離職率が低下した。
全従業員への取組みだが、結果として女性従業員のキャリア意識も向上した。
<事例3>
また、中には女性活躍推進なのに、「男性の育休取得者を1名以上とする」とした企業があったのですが、
(企業の方曰く)「女性活躍のためにはまず男性の意識改革=男性も育児をする が必要と考え、
社内でもなぜ?と言われた。
しかし取り組んでいくと、男性の育休も増え始め社内の意識が変わり、
計画の更新時に組合から『引き続きこの取り組みはやってほしい』と言われた」
と、社内の意識変化を話された企業もありました。
女性活躍推進法の「一般事業主行動計画」を上手く活かして、人事労務の課題解決にも繋げてください!

出典:鳥取労働局HP