トップページ » ブログ » 従業員からセクハラの相談を受けた時の具体的な対応のポイント (その1)

ブログ

従業員からセクハラの相談を受けた時の具体的な対応のポイント (その1)

~20年間労働行政でセクシュアルハラスメントの相談に対応してきた経験と、
労使間のトラブル解決援助をしてきた経験から、具体的な対応ポイントを
お伝えします~

「セクハラの相談をしたいのですが…」と従業員から言われた時、
対応できますか?

「セクハラ」という言葉が初めて使われたのは平成4年で、
裁判で初めて「セクシュアルハラスメント」が認められ、
その年の流行語大賞の一つになりました。

セクシュアルハラスメント(セクハラ)が社会問題と認識され、
平成11年の改正男女雇用機会均等法施行では、
企業に対し従業員のセクハラ防止対策の取組みが義務付けられました。

それから20年以上経過しましたが、職場のセクハラはまだまだ多く、
私が在職中の相談対応でもセクハラはダントツのトップ、
労使間トラブル解決の援助もセクハラが最多でした。

セクハラはいったん発生すると、その事実確認や対応に
多大の時間やエネルギーを必要とします。

また対応を誤ると、被害者が労働局など外部へ相談に行く、訴訟を起こす、
時にはマスコミに自ら連絡して報道されると言った事態にもつながります。

私が20年間従業員の相談やトラブル解決支援で見聞きした失敗する対応や、
逆に解決につながった体験から、企業の人事労務担当者の方がセクハラ相談を
受けたら、具体的にどう対応すれば良いかそのポイントをお伝えします。

1 指針で定められた「セクシュアルハラスメントを防止するために講じなければならない措置」とは

具体的な対応の前に、まずハラスメント防止対策として
事業主は何をすべきかを説明します。

男女雇用機会均等法第11条に規定があり、具体的には
「職場におけるセクシュアルハラスメントに関するハラスメントを
防止するために講ずべき措置」
が指針で定められています。

(1) 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発

①セクシュアルハラスメントの内容、方針等の明確化と周知・啓発
②職場におけるセクシュアルハラスメントの行為者への厳正な対処方針、
 内容の規定化と周知、啓発

(2) 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

③相談窓口の設置
④相談に対する適切な対応

(3) 職場におけるセクシュアルハラスメントの事後への迅速かつ
   適切な対応

⑤事実関係の迅速かつ適切な対応
⑥被害者に対する適正な配慮の措置の実施
⑦行為者に対する適正な措置の実施
⑧再発防止措置の実施

(4) 併せて講ずべき措置 

⑨当事者などのプライバシー保護のための措置の実施と周知
⑩相談、協力等を理由に不利益な取扱いをされない旨の定めと
 周知・啓発

 

以上の①~⑩までの措置を講ずることが義務付けられています。
そのうち、(3)についてはセクハラが発生した後の対応となります。

今回は、この(3)の⑤~⑧についてお伝えします。

また、令和元年の法改正により、「事業主の責務」「労働者の責務」について
務めることとする責務規定が定められました。

 詳しくは、厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf

2 セクシュアルハラスメントの相談を受けたら、どう対応するのか?

実際にセクハラの相談を受けた場合、具体的にどう対応するかの
説明に入ります。

ここでは、これまで私が相談を受け、会社が対応を失敗している例を
見てきたからこそ分かった必要な対応を具体的にお伝えします。

(1) セクシュアルハラスメントの被害者に事実確認をする(措置⑤)

  ※これができていないケースが多い!

「相談したのに対応してもらえなかった」と言って、
被害者の方が労働局に相談に来られるケースが多数ありました。
また、「そもそも会社のセクハラ相談窓口が分からないため
相談できなかった!」
というケースもありました。

本社人事ではなく、直属の上司、所属の長(工場長や支店長など)に
相談したが、対応されなかったケースも意外と多くあります。

 まず「被害者の相談を聞く」ことが必要

☞ポイントは

①可能であれば、被害者にメモ(箇条書きで良い)を作成してもらい、
 相談ではそれに基づき確認します

・被害者が書いたものであるため間違いがありません

・一からヒアリングをすると、相談対応者の負担(時間・記録作成)が
 大きくなり、相談者も時系列で話さないため話が飛びます。
 メモを作成してもらうことで、相談者も事前に相談内容の整理が可能になり、
 相談対応者も概要が把握しやすくなります。

②相談対応は複数で対応します。
 被害者が女性の場合、女性も同席します(逆もあり)。

・男性と女性とでは受け止め方が異なることもあり、
 また性的な被害を異性には話したくないと思う人もいるためです

③5W1Hを確認します

・あらかじめ、相談票のような確認シートがあると漏れなく確認できます。

④目撃者や相談している人の有無、日記やメモなど記録の有無、
 証拠となるもの(メール・Lineなど)の有無を確認し、
 証拠があればコピーなどしておきます

⑤相談者の話を否定せず、そのまま聴きます

・相談に対して「大したことではない」と言う、
 相談者の落ち度であると発言する、
 被害者の行動を責める、
 「こうすればよかったのに」と相談中に指摘すると、
 相談者は受け入れて貰えないと感じ、対応によっては
 セカンドハラスメントにもなり得ます。

  「そのくらい我慢しなさい」など決して言わないこと
  本人は辛いから相談しているのです。

⑥懇親会や時間外・休日のことであっても、
 一律に業務外とせず、よく確認します。

・懇親会であっても、社員全員が参加する、
 参加することが暗黙の了解で義務と感じられるものや
 立場上断れないものは、業務上とみなされることがあります

・時間外であっても、上司が部下に「仕事の話がある」と言って
 誘っている場合は、業務上となり得ます

・被害者が部下や非正規社員など下位の場合、
 上司の誘いは断りにくいこともあるため、
 慎重に対応する必要があります

⑦本人の希望する解決方法・意向を確認します。
 その際、セクハラの事実が認められても希望することすべてが
 対応できるとは限らないことも伝えておきます。

⑧行為者に確認するまでは、セクハラがあったと決めつけず
 (思い込まず)対応しましょう

・中には恋愛関係のもつれや、腹いせにセクハラだと訴える
 ケースもあります

⑨被害者の精神状態にも気を付けましょう

・「夜眠れていますか?」と確認し、眠れないという場合は
 心療内科等の受診を勧めます。

・カウンセラー、産業医、被害が大きい場合は医療機関と
 連携を取ることも必要です。

Copyright@2020 Ito-soeisya All Rights Reserved.

一覧に戻る

CONTACT

初回のご相談、面談は無料

まずは、お気軽にお問い合わせください。

       
お問い合わせはこちら
アメーバブログはこちら